問題点が1つ追加されたドラフト0.10
国際電子出版フォーラム(IDPF)が、EPUB 2.1のドラフト0.10を4月27日に公開していたようです。ドラフト0.8が公開されたのは4月6日ですから、この速さには少々驚きです。
ドラフト0.8では問題点が13項目列挙されていたのに対して、ドラフト0.1では14項目に増えています。以下、ざっと紹介しましょう。
- リッチメディアやインタラクティビティのサポート
- 日中韓などの言語に対するサポートの充実(日本電子出版協会が4月1日に公開した「Minimal Requirements on EPUB for Japanese Text Layout」が参考文献としてリンクされています)
- 雑誌や新聞などの個々の記事に対するサポートの充実
- メタデータに対するサポートの充実
- ページ単位のレイアウトを伝達する手段、ディスプレイサイズが異なっても1つの出版物で対応できる手段
- ナビゲーションサポートの充実
- 広く行き渡っているWeb標準との整合性の確保
- 注釈のサポート
- 数式のネイティブサポート
- 本に特異的な要素(用語集、リファレンス等)のサポート
- アクセシビリティのサポート
- 個々の産業が固有の拡張を加えられるようにするためのメカニズム
- 承認された国内・国際標準との関係性の明確化
- 広告を取り込むためのメカニズム
1〜13はドラフト0.8でも言及されていた項目で、ドラフト0.10では14番目の項目が追加されたようです。
現在は問題点が列挙されている段階で、いつ仕様として公開されるのかははっきりしません。しかし、EPUBのワーキンググループは、その重要性が以前より高まり、世界的にも注目されていることを十分に認識していると思いますので、かなり早い時期にEPUB 2.1(場合によっては3.0?)を仕様として固めるのではないでしょうか。
参考:
- IDPF EPUB Revision Working Group Charter 27 April 2010
- Minimal Requirements on EPUB for Japanese Text Layout
※適当に意訳していますので、間違いがあるようでしたらご指摘ください。